頬を掠める、冷たい風に身を縮めてしまう。
でも、もうすぐ春がやって来る・・・
移り変わろうとする季節を感じつつ、2人で歩いて行く。
拓海の大きな手を、ギュッと握り締めて――
到着した場所は、近所の公園だった。
「ココに来たのって、久しぶりだね?」
「あぁ、ホントだよな」
そう言って笑ってくれると、凄く嬉しくなる・・・
小さな頃はよく、ブランコとかシーソーとか。
ずっと一緒に、2人で遊んでいたんだ。
だけれど、拓海が中学に入ってからは。
前みたいに、あまり会えなくなっていて。
ちょっぴり、寂しいって思うけどね?
それでも、大切にしてくれてるって分かってる。
ずっと一緒にいてくれるって、分かってるから。

