こうして会うと、あたしの話を聞いてくれて。
特に受験の悩みを話すと、いつも慰めてくれた。
それだけで…、あたしはすごく救われたの。
不安な気持ちが、一気に吹っ飛んじゃうくらい――
でもね、それだけじゃなくて。
拓海の中学の事とか、色々と教えて貰ってた。
拓海の通う中学に、受験をするから・・・
こうして話し始めると、話題が尽きないほど。
拓海のコトが知りたくて、仕方がなかった。
もっと…、もっと――
すると・・・・
「なぁ、蘭・・・
久々に二人で、外の空気でも吸いに行こうか?」
突然話を切り上げると、拓海が立ち上がった。
「えっ…、でも・・・
もう遅いし、きっとママも怒るよ?」
「ハハ、大丈夫だって!
それにいつもの所だから、すぐに帰れるよ。
ほら、コート羽織って行くぞ!」
「う、うん・・・」
いつも着ていた、ダッフルコートを手渡されて。
それに身を包んでから、2人で出て行った。

