先生×自分

「あっ、そういえば…!」


皆を助けなきゃ。

多分、皆穴に落ちたんだろうし…。


「幸次!皆は?」


「案内するよ」


自分の手を掴んで、トコトコと歩きだした。

地下室に向かうと、変な叫び声が聞こえた。

…帰りたくなるような…。


「お前らが、先出たら詰まるだろ!ここは、スリムな俺に任せろ!」


要の怒鳴り声。
いや、幻聴だ。

これは…きっと。



「俺だってスリムだっ。つか、お前にこのパスワードは解けないだろ!出ても無駄だ!」



隆幸さんが、要に向かって怒鳴っているのだろう。

そろりと見てみると、牢屋のわずかな穴を巡って言い争いをしていた。