先生×自分

「ふふ…ごめんね。あ、南、私も混ぜて」


自分をギュッと抱きしめて、荒山……子供の耳元で何かを囁いた。



「お父さん?」


「さてと、帰ろっか」


「は?」


「あ、そうだ。この子を養子にしよう。私、責任持って育てるから」



「はぁ!?」



待って、何を言ってるの?
いきなり出てきたかと思えば、養子にするだなんて…。


「祖父がいるって…」


「彼からもお願いされていてね。もう長くない、だからあの子を頼むってね」


…だからって、いいんですか?


自分の胸の中で大泣きをする子供。




「名前をつけてあげよう」




あぁ、彼は。



「こうじ。よし、君は幸次だ」



お人よしすぎて笑えてしまう。



「私達は、今日から家族だよ」



家族に執着しているのも、彼が幼い頃寂しい想いをしてきたからなのかもしれない。