先生×自分

「わがまま、あんまり言わないから…嬉しいな」


「まだ帰りたくない」


「うん」


平次と手を繋いで、またテキトーに歩いた。

どこに向かっているかなんて、分からない。


ただ真っすぐ歩いてるだけ。


「今思えば…奇跡みたいなものだったんだよね。南と付き合えたのも…出会えたのも」


力強く握りしめてきた。

自分も力強く握った。


「本当は、教師じゃなくて…父さんの仕事を手伝うはずだったんだ」


平次が教師じゃなかったら、平次にもお父さんにも出会うことは出来なかった。


色々な人達と出会うことが出来たのは、【奇跡】って言うより…【運命】だったのかも。