先生×自分

「ちょっとだけ…盗み聞きしたんだけどね、荒山っていう人の…」


「ああ。何だ…それか」


忘れてた。
影薄いなぁ。

荒山って人、何だか分からない人だから…忘れやすい。


「誰なの?」


「知らない」


これ、本当だよ。

天海さんも、お父さんもあまり知らないんだ。


だから、自分もよく分かっていない。


「ま、それはもうすぐ解決するよ」


「そっかー…」


公園のベンチに座って、空を見上げた。


「また…二人きりで散歩しようね」


「うん」


一瞬…だけど、長く感じるキスを平次がしてきた。


舌と舌が絡む。

…く、苦しい。