「帰ってもらおうか」

「せっかくなんですから、あの娘と挨拶を…」

「あの娘と呼んでもらいたくはないな」

「すみません。では…あの方と直接お話したいのですよ」

…天海は私の耳元で小さく呟いた。

「断る」

挨拶なんて、ただの口実。
話をしたい?そんなこと許せるわけがない。


「仕方ありませんね。では、また今度」

私の横を通り過ぎるとき、天海がまた呟いた。


「気をつけて…下さいね。ふふっ」


天海は笑いながら出て行った。

…やはり、早急に手配しないと。