『仁志…?』 『お前にそんなこと、出来るわけないだろう?』 『―どうして…?私、覚悟はあるわ』 『分かるんだ。お前には裕を裏切れない』 裕を裏切れない… 夏実はお腹を抑えた。 そして、急に力が抜け、砂浜に座り込んだ。 仁志にはかなわない。 『私、馬鹿みたい…』 仁志も座り、煙草に火をつけた。 『…ごめんなさい、煙草、ダメなの』 『え?』 夏実はお腹を撫でた。 『マジで?出来たの?』