『ちゃんと梨沙さんのこと、幸せに出来るの?』 『―当たり前だろ?』 少し球が強くなり、夏実は手で弾いた。 『痛っ!』 『大丈夫かっ?!』 仁志が勢いよく夏実のもとへ駆けつけて来た。 夏実の指を真剣に見ている。 仁志の顔が目の前に来て、夏実は顔が真っ赤になっていた。 『平気!これくらい!』 『本当か?』 仁志は夏実を見て驚いている。 『―夏実?』 涙が溢れていた。 ―止まらない。