『お前、何考えてんだよ。大体球もねえだろ』 『じゃーん、ほら!』 そう言い、持ってたボールを投げた。 『うおっ!』 仁志が球を受ける。 『ナイスキャッチ!ほら、投げて投げて!』 『うるせーな、手怪我するぞ』 『平気よ!ほら、投げてよ!』 仁志は緩い球を投げた。 『鈍ってるんじゃないの?』 『余計なお世話だよ』 二人はキャッチボールを続けた。 『北海道のどこに住むの?』 『小樽。あそこも海があるんだ。ここより全然寒いけど』