『何?もう飲んでいるの?』 『まあな、ほら、見てごらん』 裕太の指す席を見ると、そこには仁志と隣に見知らぬ女性が座っていた。 仁志が夏実を見ると手を上げた。 『仁志!久しぶりね!』 夏実が働いてからは会っていなかったので2年振りだった。 前よりさらにたくましくなっている。 『聞いたよ。結婚おめでとう』 仁志が笑顔で言ってくれた。 『―ありがとう』 『仁志に結婚式のスピーチ、お願いしようと思ってさ、連絡したら、近くにいるって言うから呼んだんだ』