『久しぶりね。晴れて本当に良かった。』 『念願の海だもんな』 『そうよ。ずっと行きたかったんだから』 車から下りて、二人は海を眺めた。 『すごい。誰もいない。プライベートビーチみたい』 『海開きには早い時期だからね。寒くない?』 夏実は首を振り、 『全然。凄く気持ちいい』 しばらく二人は黙って海を眺めていた。 『そういえば、以前こうやって海に行ったわよね。仁志も一緒に』 『―ああ。そうだったね。確か、部活の帰りだったかな?あの時も確か夏実が海に行きたいって言ったんだ』