―過去と向き合う覚悟―

正直、恐い。

どんな過去があるのか、考えるとまた頭痛と息苦しくなってしまう。

でも、いつまでもこのままではいられない。

横のソファーで仁志は寝息を立てている。

彼の為にも思い出さなければならない。

辛い過去でも、たとえ彼と離れることになってしまっても―…

夏実はジーンズのポケットから一枚の写真を取り出した。

仁志の定期入れに入っていた写真だ。