夏実は帰るまで、さっきの両親達の顔を思い出していた。 戸惑いの顔だった。 仁志の所に戻り、夕飯の支度をしながらやはり仁志との結婚のことで何かあるに違いないと思った。 ―こんなことなら実家に行くんじゃなかった。 更に不安が増しただけだった。 「ただいま」 「おかえりなさい」 「どうだった?久しぶりの実家に戻ってみて」 「―家族に会えたことは良かったわね」 「…それで?」