しばらく二人は黙ってコーヒーを飲み続けていた。 『どうしたの?仁志』 夏実が仁志の肩に触ると、彼は震えていた。 夏実は仁志の手を握った。 『恐いの?』 『―まさか』 『大丈夫よ』 夏実は彼がしてくれた様に、頭を撫でた。 仁志は夏実の手を握りしめ、夏実の頭を自分の肩に寄せた。 『しばらくこうしててくれないか』 『これで良いの?』 『充分だよ』 仁志は微笑んだ。 そして二人は眠りについた。