仁志は相変わらずソファーで寝ようとしていた。

「ねえ、もう完治したんだから私がそっちに寝る」

「いいんだ。気にするな」

そう言い、さっさと布団に入る。


いつもの様に寝ようとする仁志に、

「ねえ、一緒に飲まない?」

と以前二人で開けたワインを出した。


「いいけど、どうしたんだよ。急に」

「そう言う気分なの」

仁志はワインを飲みながら、タバコを吸った。

夏実はその煙をしばらくじっと見つめていた。

今、仁志は何を思っているのだろう。

「ねえ、仁志の家族のことを教えて!」