『離して下さい!』 しつこい男たちだ。 まだ夏実を離そうとしない。 『おい、何してる』 奴等は彼を見て怯んだ。 『仁志!』 『てめえら、こいつに手え出したらただじゃおかねえぞ』 二人はバツが悪そうに去っていった。 『良かった。やっと見つけた』 外に出て、ようやく夏実は一息付いた。 『いい加減にしろよ!こんな所にまで来んな!迷惑だって言ったろ!』 『だって、ここまで追いかけないと仁志会ってくれないから』