「何言ってるんだ。お前が好きなワインだぜ」

「そうなの?」

「まあ、ゆっくり祝おう。腹減っただろう?」

そう言い、牛肉を見せた。

「減った!仁志、最高!」

入院中ずっと肉が食べたい食べたいと言っていたので、覚えてくれていたのだろう。

仁志がキッチンに向かうと、

「待って。私が作る」

「大丈夫か?」

「平気よ。甘えてばかりいられないもの。これくらい、しなきゃね」