「右足骨折と、助骨にヒビがあります。後で頭の検査もしますね」 「とにかく、命に別状がなくて良かったよ」 言い様の無い不安が押し寄せてくる。 ―何だろう。 何かがおかしい。 「ナツミ!」 中年の男女が心配そうな顔をしながら、自分に話しかけてきた。 「大丈夫なの?!ずっと眠り続けていたのよ」 「あの…」 不安が増す。 恐る恐る、聞いた。 「どちら様ですか?」 自分に話しかけてきた人達の顔が固まっていた。