看護婦が訪ねてきた。

「はい…」

「やっぱり!奥田さんが言ってたの。もうすぐ婚約者の方が訪ねてくるって」

仁志が…

「毎晩遅くに来て看病してくれてたわ」

遅くに出て行ったのは、裕の所に訪ねていた為だったんだ。

「―先生から、お話があるので来てもらえますか?」

「―はい…」

病室を出て医者の所に案内された。

医者は夏実を座らせ、神妙な顔で話始めた。

「佐藤さんのご両親にはまだお伝えしていないのですが…
佐藤さんがこの状態になってもう3ヶ月経ちます」