退院が近付くにつれ、夏実はどんどん不安になった。

自分はこれからどう生きていけば良いのだろう。

仁志に頼りきりで、まだ1人では何も生活が出来ない。

仁志が仕事に行って自分1人になる時間、もし彼がこれきり来なかったら私はどうなるのだろう。

1人で生きていけるだろうか。

どんどん不安になり、恐くなる。

「もう少しだな、退院」

「…あの、そのことだけど…延ばせないかな、退院」