夏実は大きく息を吐いた。 小刻みに震えている。 涙が溢れていた。 「―だけどまだ、目は覚めていない」 「どうして」 「裕は植物人間になってしまったんだ」 夏実は良く理解出来ていない様だった。 「―嘘。だって、助かったんでしょう?」 「ああ、これからはお前が助ける番だ」 「―私が?」 「お前が側にいたら、きっと裕を救うことが出来るはずだ」