「大丈夫か?」

「―仁志…」

仁志は眼を大きく開き、

「思い出したのか?!」

「痛…」

急に頭が痛くなった。

「私と、仁志の…高校生だった頃のことを少し…」

「そうか!やったぞ!後は?」

ゆっくり首を降った。

「頭が痛い…」

「休めよ。疲れたんだろう」

そう言い、仁志は夏実に布団をかけた。

まだ思い出したかったが、頭が拒否している様だ。

でも大切なことを思い出せて良かった。

私は、仁志のことを好きだったのだ。