夏実は大きく首を振った。 『―ち、違うわ…高校の友達よ。高橋志保。覚えてるでしょ?』 裕太は夏実の話は耳に入っていない様だ。 『―どうしてそんな顔をする?どうして笑わないんだ?!』 裕太は夏実の胸ぐらを掴み、乱暴に離した。 『ああっ!!』 庇おうと思ったが、遅かった。 テーブルの角にお腹を強く打ってしまった。 激痛が走る。 痛くてうずくまり、叫び声を上げた。 『夏実?!』