裕太に子供のことを伝えると、しばらく黙っていた。 『―もう二度と、仁志と二人で会わないんだね?』 裕太は夏実の手を握った。 夏実は頷いた。 『会わないわ』 そして、ようやくいつもの裕太の表情に戻った。 『分かった、信じるよ。3人で良い家庭を築いていこう』 『―裕…ありがとう』 ―良かった。 もう二度とあんな裕の姿は見たくない。 ―仁志、さようなら。 お互い幸せになろうね。