『―二人で、僕を裏切ったんだな』

『裕、違うよ。夏実は裏切っていない』

『うるさい!!』

裕は血走った目で仁志に叫んだ。

『お前とはもう二度と会わない』

『裕、待って!仁志は悪くないの』

裕太は夏実を軽蔑するような目で見た。

そして車に向かい、夏実を置いて走らせていった。

『夏実、行けよ』

夏実は体が震えていた。

『どうしよう…もう、駄目だわ。きっと』

『大丈夫だよ。裕太は絶対分かってくれる』

夏実は頷いた。

そして、仁志は夏実を抱き締めて、

『俺はいつもお前を想っているよ』

そう言い、頭を撫でた。