『やめて!裕、私が悪いの!』

『夏実、お前は避けてろ』

『駄目、私が仁志を誘ったの』

『夏実!馬鹿、やめろ!』

『―嘘だろ?夏実』

夏実は首を振った。

『本当よ。仁志に会いたくて会ったの。ごめんなさい』

夏実は頭を下げた。

『―どうして…』

裕太の目が泳いでる。

理解できていない様子だった。

『自分の気持ちを確かめたかったの』

『―ずっと、6年間僕を騙していたのか?』

『―裕、違うんだ。夏実は結局お前を選んだんだよ』