「初樹?」 と、カイが私の名を口にする。 なぜ、私の名前を…と思ったが、その件にはふれなかった。 私は、ぱっと顔を上げると、カイが心配そうな表情で私を見つめていた。 カイの手が、そっと私の頬に触れる。 「目が赤い…、泣いてる…の?」 カイの手があまりにも温かくて、私の目から涙があふれでた。 そして、私はぎゅっとカイに抱きつき、自分でも知らず知らずのうちに、こう口走っていた。 「…たすけて」 だれでもいい。 きっと、だれかに、すがりたかったんだと思う。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆