「姫菜……あの…」 姫を呼んだのはタバコのことをチクった女だった。 チクった女は少し俯いて申し訳なさそうな顔をしてた。 たぶん姫に謝ろうとしてるんだろう。 だけど姫は… 「誰?」 「え…?」 「アンタなんか知らないけど?」 「…ッ……姫菜…」 「気安く呼ばないでくれる?」 姫の声は怒鳴る訳じゃなく冷静な声だった。 こんなに冷静な声で言われるくらいなら まだ怒鳴られた方がマシだって思った。 .