先輩★内緒の片思い

「うん」


私が頷くと、南君は今にも抱きつきそうな勢いで、真菜香の前に身を乗り出した。


「岸谷、サンキュ!
すっげー嬉しい!」


「え、いや、そんなこと……」


真菜香ははにかんでしどろもどろになってる。



あーん、真菜香ったら可愛い!



すると、武内が南君のわき腹をつついた。


「だけどおまえさ、海行って岸谷先輩とビーチバレーとか始めんなよ。
岸谷先輩は彼女と来るんだから、邪魔したら失礼だぞ」


「えー、まじ?
でも念のためボールだけ持ってく」


「何が念のためなんだよ……」


武内は呆れ顔で笑った。