先輩★内緒の片思い

外に出て、いつもの武内の立ち位置に岸谷先輩が立つ。


それから30分、特訓が始まった。


バレーの技術的には武内よりも岸谷先輩の方が上だけど、曲に合わせてカンペを見ながらとなると、どうしても動きに乱れが出る。


そこをアドリブでごまかしながらの演技。


私も必死にフォローした。


しかし、30分程度の練習ではどうしてもボールを落としてしまう場面が残ってしまった。




「時間だな、これが限度か。
バレー部の勧誘としては失敗になっちまうかもな」


珍しく弱気な岸谷先輩の発言に南君が首を振った。


「いえ、岸谷先輩が舞台に立てば、そのオーラだけで宣伝効果抜群です!」


夏美も隣で頷いている。


一緒にやっている私にはよくわからないけど、岸谷先輩がかっこいいのは間違いないから、たしかに舞台栄えはするだろうな。


きっと大丈夫!


そういう思いを込めて、私も岸谷先輩に頷いた。