ーアイツとわたしー
気がついたとき、アイツと私はすでに友達だった。面白いし、ちょっと意地悪だけど、やっぱりやさしい、あいつ。私とは同じ背丈だったのに、追い越されちゃった。そんな中一の夏。


   「わたる!」 あいつが前を歩いていた。私の友達、ミサが振り向く。「誰?」私は得意げな笑顔で、「へへへっ」と笑う。
 
 はっきりいって、アイツは顔はいいほうだ。背が高くて、髪はふつう?な長さだ。走ってちかづき、頭をパコン!と叩いてやった。 

「いってぇ!」
と奴が叫び、振り向いた。ミサはおどおどしてる。

「やっと中学校一緒になったね!」
と笑いかけた。わたるは眉間にしわをよせ、私のデコをたたいた。

「いった!何すんのよ!」
奴は満足気ににやりと笑い、また歩き始めた。

「だれ?」とミサが聞く。
「幼馴染。」
と答えながら、走り出し、わたるに飛びついた。「あんたねえ!」とどなった。
「ウルセェ。」
わたるの冷たい返事。むかつく~!