僕の白雪姫



そうだな…
俺には
姫のことを一生かけても
守れやしない…。






屋上から
姫が落とされた時だって
足を傷つけないと
姫を助けることはできなかったんだ…。






なんで俺はこんなに
弱いんだろう…。






なんで俺は
龍みたいに
すぐに飛び込んで行けなかったんだ…。






悔しい
悔しい
悔しい






胸が張り裂けそうなぐらい
悔しいのに…
俺はこんな考えしか
浮かんでこない。






「俺は姫を守れない」






だから…
俺は…







「それは…
姫のことを
愛していないからだ」







「え…?」






姫の力の抜けた声が聞こえた。







「俺は姫のことを好きでいるのは疲れた」






「そんな…」






「俺が本当に好きなのは」






ごめんな…
ごめんな姫…。
でも俺は
姫に嫌われてもいいから
最後に姫を守りたい。







「朱李だけだから」







その言葉で自分の心が
締め付けられるように
苦しくて悲しい。







こうでもしないと
朱李はこれからずっと
姫のことを殺そうとするんだろ?