僕の白雪姫



「…かった」






「え?」






朱李が
小さな声で何かを言う。






そして朱李は
姫に近づいて
姫の頬を優しく撫でる。






「もしもなの時…
あんたを殺してたら…
あたしはこんな苦しくならなくてよかった」






ドクンッ






なんだって…
今朱李は…
なんていったんだよ?






「朱…あ!」






いきなり
姫の苦しそうな声が聞こえてきた。






朱李は
頬を撫でていた手を
姫の首を締め付けていた。





「あんたを…
何度も何度も殺そうとしたのに…」






「…ぅ」






姫の声はどんどん小さくなっていく。
助けないと…
助けないと行けないのに…
なんで俺はいつも
姫がピンチになると
動けなくなるんだよ!!






震えが止まらない。






「あんたはいつも私の…
愛する人が救うの!?」






「朱…りぃ…」






「いつもいつも…
なんで私じゃなくて
あんたのことを好きになんのよ!?」






どんどん興奮していく朱李に対して
姫は我慢していた涙が
目から流れている。