だから
バレなくて
零だけ起こられた。
「あともうすぐで面会時間が終わりますので帰ってくださいね」
そう言って
看護婦さんが怒りながら出ていった。
「衣希!!お前が騒ぐから怒られたじゃねぇか!!」
「あんたが居るから悪いのよ」
「おめぇ何狸寝入りしてんだよ!!」
そう言って頭を
バシンッと叩かれた。
「いで!!」
「ほら…お前らさっさと病院から出るぞ…そうしないとまた怒られる」
「そうだな。じゃぁな連時♪また明日」
そう言って三人とも病室から出ていった。
静かになった病室は
ガランとしていてなんとなく寂しい気持ちになる。
その時。
「あの…連時くん…ちょっといい?」
姫の方のカーテンが
開いて姫の可愛らしい顔が見えてドキドキしてくる。
「なに?」
「あの…さっきの人って」
さっきの人?
陸斗たちのことか?
「あぁ…ごめんね。うるさくして陸斗たちいっつもあんなんだからさ」
「そうじゃなくて…あの…えっと…」

