その時は…
「……す…好き…だよ?」
優しく抱きしめて
「ありがとう」
優しくキスをして
「ん……いきなりどうしたの?」
そして……
「こんな俺を好きになってくれてありがとう……」
そう言ってあげるだけ。
俺は朱李の物にはなれない。
だからこんな最低な俺なんかやめて朱李を幸せにしてくれる人と幸せになってほしい。
「え…?」
「じゃ…俺教室戻るから」
そう言って立ち上がり
保健室のドアを開けようとした時……
「なんでよ!!」
後ろから朱李の大きな声がする。
今の声で風邪を引いている俺の頭がひどく響いた。
「なんで?なんでなんで!!なんでなのよ!?」
朱李の声がどんどん大きくなり俺の頭にさっきよりもっとひどく響く。
「普通あんなこと言われたら期待するじゃない!?なのに何がありがといよ!!意味わかんない!!!!」
そんなことを言われても俺が出した答えはただ一つ。
「こんな俺を好きになってくれてありがとう……。だけど俺は朱李を恋愛として見れない。」
朱李の表情がどんどん暗く変わっていく。
俺は決めた。
俺はこの答えが一番正しいと思ったからこの答えを選んだ。

