「なぁ……」


陸斗が何か言おうとした時扉が突然開いて零が部屋に入ってきた。


「ん?なに?」


俺と陸斗が同時に零の方に目をやる。
すると零が首を傾げて
聞いてきた。


「いや…別に……」


さっきまであんなことを
話していたせいか
なぜか慌てて座布団の上から立ち上がってしまった。

「ど…どうした!?」


陸斗と零が
目を丸くして
こっちを見てきた。
俺は手をバタバタさせて
言った。


「ほら!あの!!……俺今日用事あったの忘れててさ〜…だ…だからもう帰るわ!!」


床に置いてあった黒い鞄と赤いケータイを手にとり
慌てて部屋を飛び出した。