雪が降るのは、珍しかった。

 ホワイト・クリスマスってのがあるから、ホワイト・バースデーってとこかな、今日は。

 東京の街にはもう二度と、奇跡でも起こんない限り雪なんて降らないって思ってた。
 どうやらそれは、違ったようだった。

 アタシの身近に、奇跡なんか、起こらないはずだから。


 今日は、アタシの、17の誕生日。


 小学生の時なんかはもう17なんて大人だった。うちの家で酒を呑んでる赤ら顔の大人たちと、区別もつかなかった。

 そんな年にいつの間にか、なってしまっていた。


 ふうと息を吐くと、白い煙が口から出ていった。

 さよなら、16さい。