その日は、同僚達の様子がおかしかった。
いつも余所余所しい人達だったが、今日は殺気すら立たせて、私をじっと睨んでくるのだった。
私は堪えられなくなって身体がかたかたと震えるのを、必死に隠した。
そして、平静を装いながら、ひたすら時間が過ぎるのを待っていた。
「一体何処で御心を掴んだのかしら」
「大人しいと思っていたのに、裏で何をしているのか分からないわね」
「新参者のくせに」
ひそひそと、しかし私の耳に届く様に、同僚達が陰口をたたく。
何故私が、こんなに睨まれなければならないのかは分からない。
しかし、皆が一丸となって私に敵対心を持っている事だけは、分かった。

