「エリカぁ…そんなに叫ばないでよー……きゃ?!」

「きもちー?」

「びっくりしたぁ!!でもきもちー…」


とりあえず走るのは諦めてフェンスを背に座る

そうしたらいきなりほっぺが冷たく感じた

びっくりして振り向くと椿が笑って腕を差し出していた


「幸乃もこっち来ればよかったのに」

「うっ…だ、だって…そのさ…」

「うん?」

「お腹の…お肉が…って言わせないでよ!!」


そりゃ気にならないくらいお肉がなければ走らないのに!

この乙女心をわかって!!


「ふーん…でも幸乃、細いよ」

「ほ、細いってーのはね!あーいうのを言うの!!」


椿はアタシのどこ見て細いなんて言ってんのかしら?

二の腕にも足にも無駄なお肉がたくさん付いてるのに…

それに細いって…クラスの男子に大人気の西園寺さんみたいなコのこと言うのよ

見てみなさい

自覚してんのか知らないけど男を挑発するような水着きてるし

アタシ、ずっと思ってたんだけど

西園寺さんは絶対椿に気があると思うのよね

うん、女のカンって当たるのよ


「西園寺…?」

「そう、見なさいあのプロポーション!!胸もあるしくびれもあるし足細いし可愛いし!」

「…そうかな、」

「そうよ!」


どうせ椿だって西園寺さんみたいな可愛いコがタイプなんだろーけど

ちくしょーアタシにもっと胸があれば…


「一般的に見れば可愛いんだろうね」

「そう、」

「でも俺は幸乃のほうが可愛いと思うけどなぁ」

「そう、………何を?」

「だーかーらー俺は幸乃のほうが可愛いと「もう言わんでいいわぁ!!」


何を言うかこの天然タラシがぁ!!