すっと差し出された手。

「??どうしたの?」

「手、繋ごう?」

「え…、」

「また転んだら大変でしょ?」

「もう転ばないもんっ!!」

ぷい、と顔を背けて先に歩き出す。
「待ってよ」と何がなんだかわかってない顔の椿が慌てて追いかけてくる。

待ってなんてあげないんだから!
人のことおっちょこちょいみたいに!

椿のほうがおっちょこちょいの忘れ物キングのくせに!!
変な所で私より大人っていうか、なんていうか。

「待って、幸乃!」

「ま・ち・ま・せ・ん!」

「ねぇ待って!なんで怒ってるの?」

「お・こ・っ・て・ま・せ・ん!」

「ゆきの、」