中学校まで歩いて二十分くらい。
ゆっくり歩いてもまだ時間があるから少しより道をして行くことにした。

「うわぁ~~!!すごい!」

「満開だね。」

空一面に広がる青と、桜色。
風も緩やかに吹いて花びらを運んでいく。

学校からすぐ近くにある公園でしばし桜見物。

「ここなら遅刻の心配もないし。」

「すごいね、桜。」

「ね~…きゃっ!」

上を見ながら歩いていると、足がもつれた。
転ぶ!と思った寸前の所で身体が支えられる。
恐る恐る目を開くと、超ドアップの整った椿の顔があった。

「大丈夫?!」

「う、うん!平気!」

「そう…よかった。」

にっこりと笑って、偏っている身体を起こしてくれた。
意外と力、あるのね…。
少し驚いた。
もしかしたら私よりも腕細いかもしれないのにどこにそんな力がるのかしら?

男の子、だもんね。

「そ、そろそろ学校行こうか!」

「そうだね、もう時間になるね。」