そこまでするの?って?
だってそこまでしないとまず一つは忘れ物をするから。
今日はあんまり必要なものはないから、これだけで大丈夫。

「椿~、」

「ん、何?」

「お弁当ついてる。」

「とって?」

「…ん、はい、とれた。」

「ありがと。」

口の周りについた米粒を取ってあげる。
じゃないと多分、気づかない。
何にって、米粒に。

天然、の域を越えてるんじゃないかと思い始めてる。
でも天然なのよね。

「食べた?」

「うん。」

「じゃぁ、行くわよ!」

「ん、じゃぁ、桜兄さん、行ってきます。」

「はい、行ってらっしゃい!二人とも気をつけてね。」

桜さんの見送りを背に受けて、学校に向かって歩き出す。