この仕事を受けた時、機密事項だと言われた。そんな事に、私の拒否権は無い。

 言われたように教えるだけが私の仕事……私のような人は、他にもたくさんいた。

 ここには、あらゆる専門家が呼ばれている。この施設から出られず、隣の宿舎での生活。

 でも、不満は無かった。なぜなら、教える少年がどういう子供なのか、知らされてはいなかったけど。

 自分たちの知識を、あっという間にこの子は吸収する。専門家たちは、それが楽しくて仕方がなかった。

 時々、正体の解らない少年に、おびえる事もあったけれど……彼らはそんな恐怖心さえも、好奇心にすりかえた。