エメラルドの傷

 マークは案内される施設の中を、物珍しそうに眺める。

「凄い施設ですね」

 ベルハースはそれに、懐かしい口調を乗せて説明した。

「当初はこれほど規模は大きく無かったよ。彼が誕生してから、色々な施設が造られたのだ。何せ、我々がここに来た時は寝床と研究室と実験室くらいしか無かったのだからね」

「そうなんですか?」

 その言葉に、ベルハース教授の歩みが少し遅くなる。

「ベリルが生まれて、その頭脳に国は目を見張った。で、彼にあらゆる教育を受けさせる事にした。そのために施設がいくつも設けられたという訳だ」

「へえ……」

「呼ばれた者たちは、国家機密に関わったからね。ここからは出られないんだよ」

 説明し終わると、再び歩みを速めた。