「!」

 走り続けるベリルの耳に、爆音が届く。

「……っ」

 それでも、止まらずに走り続けた。数人の敵なら1人でもなんとかなる。

 ベリルは復讐するように、出会う敵を殺していった。

「はぁっ……はぁ……」

 破壊された塀から施設を出て、近くの森で体を休める。

「う……っ」

 体の震えが止まらない。それを、必死に抑えるように自分の体を抱きしめた。

 森から様子をうかがうと敵は制圧し終えたらしく、銃声は聞こえなくなった。


 次の日──研究成果を諦めたようだ、敵は撤退していった。

「……」

 ベリルは警戒しながら施設に向かった。