「すまなかったな、アリシア」

 息も絶え絶えのアリシアに、ブルーはぽつりとつぶやいた。アリシアは力なく笑う。

「あなたは……何も、悪く無いのに?」
「もっと早く、気付くべきだった」

 教え子に先に気付かれるとは、俺もヤキが回った。

「悪いが、ここから先に行かせる訳にはいかないんだ」

 ブルーはプラスチック爆弾の起爆スイッチを手にする。近くにあるだけの爆弾をかき集めてきたのだ。

「敵が十分に集まって来たな」

 我ながら、情けないオトリ作戦だよ。

「クク……」

 笑ってスイッチを押した。