エメラルドの傷

「え……私?」
「俺が気付いてないとでも?」

 言われてアリシアは顔を赤らめた。

「年の差なんて気にするな」
「?」

 ベリルは、2人のやりとりにキョトンとした。

「早く行け、ベリ──」

 ブルーの声をさえぎって、流れ弾がアリシアの胸を貫く。

「あ……」

 一瞬何が起きたか解らず、ベリルは目の前で倒れるアリシアを眺めた。

「アリシア!」
「!?」

 ブルーの叫びでようやく我に返る。

「アリ……シア?」

 倒れたアリシアを抱きかかえた。流れる血が止まらない。

「これ……は」

 少しずつ、冷たくなっていくのが解るのに……どうする事も出来ない。

「……」

 アリシアは、苦しそうに見つめるベリルの頬に手を添えた。

「フフ……あなたにして欲しい事を、してもらってるのね」

「喋らないで」

「こんな、おばさんが……あなたに恋するなんて、ね」

「まだ30だろ?」
「35よ」