エメラルドの傷

 50代半ばとは思えない速度に、マークは急いでついていく。

「そ、それで。あの……“No.6666”についてですが」

「ベリルだよ」
「え?」

 聞き返されて、教授は立ち止まる。

「ベリルだ。我々が名付けた」
「はあ」

 そして再び歩き出す。

「“キメラ”でもよかったのだがね。俗物的な名前は気にくわない」

 やはりここは、ちゃんとした名前を付けるべきだ。教授は笑いながら言った。