<どういう事だ!?>

 モニタールームのスピーカーから響くベルハースの声。警報に、科学者たちが集まる部屋にいたベルハースが問いかけてきた。

「敵ですよ」と、ブルー。
「敵とはどういう事だ」

「解っているんじゃないんですか? ここは何の研究所ですか」

 研究を横取りに来た犯罪組織が、攻撃を仕掛けたに決まってる。

 いくつもの監視カメラを見つめて、ブルーは舌打ちした。

「くそっ囲まれてる。救援は……無駄か」

 国家機密の施設に大々的な救援は出来ない。助けに来るのは……

「終わったあとだな」

 ブルーは、諦めたような声でぼそりとつぶやいた。

 ならば……せめてベリルだけでも、逃がしてやらなければ。

 これ以上、彼がモルモットにされるのは許せない……ブルーの瞳が、険しく宙を見つめた。